最高気温が30度を越えることはあっても、気候の肌ざわりはすっかり秋のそれですね。今年は7月くらいがとても夏らしい天候だった気がします。
丁度その頃から、7月から8月にかけて、2つの学会で大会ワークショップの講師をお任せいただきました。ひとつは日本ブリーフサイコセラピー学会で、「システムズアプローチ〈完全理解〉」と銘打っての5時間の研修。院生からベテランの方まで、20数名の方にご参加いただきました。
大会ワークショップを一人で担当するのは実は初めてのことで、5時間というのは長いようで短い。その間にアプローチの来歴に触れ、エッセンスを分かりやすく伝え、体験的にワークも入れて、なんてやっていると5時間はあっという間。少し盛り込みすぎたきらいはありますが、無事お役目を果たせたかなと思っております。
加えて、今回は特に「対人援助におけるシステムという視点」について、研修の準備プロセスでグレゴリー・ベイトソンの論文を読み直すことで、私自身新しく気づいたことが多々ありました。ベイトソンのエコロジー概念や数々のアフォリズムは謎めいてみえるので、どうしても雰囲気だけを味わうにとどまりがちです。そのあたりが幾つかクリアになったので、今後のワークショップや研修、授業の中に反映させていきたいと思っております。
もうひとつは、日本家族研究・家族療法学会つくば大会のワークショップで、「認定スーパーヴァイザー企画 スーパーヴィジョンの実際」。スーパーヴァイジーとスーパーヴァイザーがリフレクションを通じて日常のスーパーヴィジョンでは言えないことを言ってみましょう、という企画。今年度から認定スーパーヴァイザーを拝命している関係で講師の一人として参加することになり、期せずして先輩スーパーヴァイザーの謦咳に触れることに。そのコメントの深遠さたるや。特に福山和女先生のご意見は、たいへん印象に残った次第。感嘆致しました。
というように、2つのワークショップは講師にとって、とても得るものが多かったのですが、例によって観光はほぼなし。。場所は松山と筑波だったけど、駅と会場を往復したのみで、唯一、道後温泉は本館の前までは行けた。温泉に入る時間はなかったものの、初めてその雄姿を目にすることができたので、まあ良しとしますか。
(田中)